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2007年9月 8日 (土)

ドキュメント 「ショパン コンクール」

Mf99yqe5 こんばんは。少し古い(2005年7月初版)本ですが、佐藤泰一(さとう たいいち)さんの「ドキュメント ショパンコンクール」の中から少し紹介したいと思います。佐藤さんは元新日鐵の技術研究者を経て現在技術コンサルタント、音楽評論家をされています。近いところではウワディスワフ・シュピルマンの「戦場のピアニスト」の翻訳者といえば馴染みがあるのではないでしょうか。古いですが、「ロシア・ピアニズムの系譜」という凝った本の作者でんもあります。ヴェデルニコフのCDの解説でもおなじみですね。

ショパンコンクールといえばコンクールの老舗で通っておりますが、1960年の第1位はポリーニだったとか1965年はアルゲリッチが1位だったかは知っていても、その時の審査委員のメンバーとか、課題曲とか、他の入賞者のことなど、よほど興味がないかぎり、詳細を知ろうとする人は少ないのではと思います。もちろんショパンコンクールに関してはイェジー・ヴァルドルフの「ものがたり ショパン・コンクール」が有名ですが、この本は著者の一種の回想録であり、審査委員のメンバーとか順位とか入賞者のプロフィールとか、データの部分では少なからず漏れがありました。

ヴァルドルフの著書はそのかわりコンクールの現場にすべて立ち会った臨場感があります。佐藤さんのこの本はそのデータ的な部分を、現場に立ち会ってはいませんが、当時のプログラム、現地の新聞とか寄稿文とか、インタビューなどを資料として、臨場感の再現に努めています。

特徴として、コンクールの回毎の審査委員の名簿、上位入賞者のプロフィール、その時々の事件、エピソードなどが盛りだくさんです。入賞者のプロフィールについてはコンクール後のコンサート、録音状況までも調査して書かれています。

さて1955年の第5回ショパン・コンクールの1位は誰か?

1位 アダム・ハラシェヴィチ
2位 ウラディーミル・アシュケナージ

と書けば誰もが???ではないでしょうか。もちろんピアノ好きならば誰でも知っている事実ですが、いくら考えて不思議な結果です。

そこでこの本で説明しております、この第5回の時の1次、2次、3次予選の点数比較をしてみます。

1次  アシュケナージ 23.38
1次  ハラシェヴィチ 23.23

2次  アシュケナージ 23.33
2次  ハラシェヴィチ 22.88

3次  アシュケナージ 21.96
3次  ハラシェヴィチ 23.83

総合  アシュケナージ 68.67
総合  ハラシェヴィチ 69.94

この点数はどうやってはじき出されたかの疑問は大いにあるのですが、それはさておき、この最終結果を審査員全員が確認のサインをしなければいけないのですが、ミケランジェリはサインを拒否したのです。「ハラシェヴィチの1位は納得できない。大差でアシュケナージが勝っていた」と言って審査員を辞退したのです。歴史的な評価は、皆さんご存じですが、この話を読んでようやく長年の疑問が解けたような気がします。ところで第3次は協奏曲だったのですが、アシュケナージ本人は協奏曲の時は調子が出なかったと言っています。

いつだったか、コンクールの結果は、受賞者の未来の栄光を決定的に保証するものではない。あの時の審査員の判断は誤りだったといわれるように、みなさん精進してもらいたい。

けだし本音といわなければなりません。

2007年3月 4日 (日)

カラヤンとフルトヴェングラー

Fchav8ax こんばんは。romaniさんのブログを拝見して、早速購入して読みました。要点はromaniさんが、簡明に紹介してくださっておりますので、重複になるかもしれませんが、読み手が変われば受け取り方もまた変わります。

私が前々から疑問に思っていたのですが、フルトヴェングラー(1886年生まれ)ほどの人物が、22才年下のカラヤン(1908年生まれ)にあれほどのライバル意識を燃やしたかということです。結局この本を読んでもわからずじまいでしたが、初期のSP録音に関してカラヤン恐るべしということを感じた記述があります。長くなりますが引用します。

1931年に「音と言葉」というエッセイに『音楽の生命力』と題して以下のように述べています。

「ラジオとレコードの実用的な価値については、いかに高く評価してもしすぎることはない」。そして、テノール歌手エンリコ・カルーソーの声の『音色や直接的な個性の表現」、チェロ奏者のパブロ・カザルス、ヴァイオリニストのフリッツ・クライスラーなどの『演奏が放つあの特有の光彩』も、蓄音機において再生可能であるとする。しかし、オーケストラについては、「レコードに置き換えられる場合、すべてが質的に別なもの、完全に別なものになってしまう」いいレコードを作るためには「極端なニュアンスや、本格的なフォルテシモやピアニシモ、極力避けねばならない」また「極めて緩慢なテンポはややもすれば退屈で気抜けしたものとなり、極めて速いテンポは騒々しく不明瞭なものになりがち」

当時の録音技術から考えるとフルトヴェングラーの持つ特徴がレコードでhはすべて短所となってしまうことを嘆いているようです。

翻ってカラヤンはどうかといいますと、レコードという新しいメディアの特質を見抜き、どうすれば「いい演奏」として録音されるかをすぐ会得した。音の鮮明さと、正確さ、そして美しさが必要であることを理解した。そして、そういう演奏ができたと、筆者中川右介(なかがわ ゆうすけ)さんは書いています。

私が気になっていたことがもうひとつ、ベルリン生まれのワルター(1876年生まれ)の存在です。ワルターが知人に当ての手紙が紹介されています。

「ニキシュの後任はまだ決まっていません」「現実問題として考えられる候補は二人でけで、フルトヴェングラーと私です。フルトヴェングラーは、ニキシュが死んでからベルリンに根を下ろし、天国から地獄までのあらゆる手段を総動員して、この地位を得ようと躍起になっています」「私の方はまったく何もしなかったし、主義として何ひとつしていません。私はこれまでの人生ので、ただ業績によってのみ道を開こうとしてきました」

主役はカラヤンとフルトヴェングラー、脇役にワルターとチェリビダッケ、舞台装置は、ヒトラー、ゲーリング、ゲッペルス、ヒムラーとくれば、面白くないわけがない。

巻末にもあるように多くの書物、文献、資料を再構成し筆者の見解が鏤めているが、事実関係を追っていくだけでも下手な推理小説より余程面白い。

2007年2月 2日 (金)

モーツァルトの手紙

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随分長い間、書くことができないでおりました。材料はたくさんあるのですが、一向に「その気に」にならなくて時ばかり過ぎていきました。今回の記事は「モーツァルトの手紙」です。

まず日本語訳の基にになった資料からご紹介致します。この本の巻末に以下のような付記があります。

本稿は、ザルツブルグ国際モーツァルテウム財団の協力を得て刊行された「モーツァルト全集」(全15巻+別巻1、1993年完結)に連載された「モーツァルトの手紙を読む」に大幅に加筆訂正したものである。

本書の特徴は、モーツァルトの生誕前夜から父レオポルトからレオポルトの「ヴァイオリン教程」出版者ロッターへの手紙から始まり、モーツァルトと父との手紙のやりとりが載せられています。手紙の背景はもちろん登場人物は全てといっていいくらい肖像画ならびに略歴紹介がなされています。

モーツァルトの生涯は旅の一生でしたが、旅程も地図付きで経路も紹介されており、まさに至れり尽くせりの内容です。

登場人物の肖像画、略歴、地図はすべて当該ページに載せられており、読みやすいことこの上ないといっても過言ではありません。

私自身の感想はまだ、まとまってはいないのですが、ただ一つモーツァルトは結局オペラを聴かなければ彼を知ったことにはならないということです。ドイツ語オペラにかけるモーツァルトの執念の一端を垣間見ることができたのは大きな収穫です。私はオペラはあまり好きではないのですが、この本を読んで是非とも聴いてみたいと思うようになりました。

それでは、手紙の一つをご紹介致します。

1781年6月24日 モーツァルトから父レオポルトへ

ぼくはほとんど毎日、昼食後、アウエルハンマー氏の家に行きます。その娘ときたら化け物のようなブスです!でもうっとりとさせるような演奏をします。ただ、彼女にはカンタービレで弾く、本当の繊細な歌う様式が欠けています。なんでも爪弾きしてしまうのです。(以下略)

大変な毒舌の手紙ですが、彼女には、ヴァイオリンソナタヘ長調K376、ハ長調K296、ヘ長調K377、変ロ長調K378、ト長調K379、変ホ長調K380の6曲が捧げられています。美醜には関係なく、相当高く彼女の才能を評価していたのでしょうね。

著者 高橋英郎(ひでお)
小学館 本体3800円

2006年5月 8日 (月)

グレン・グールドの生涯

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こんにちは。今回はグールドの伝記本です。今までグールドの本はたくさん読んできたつもりでいたのですが、この本はどういうわけか読む機会がとんでいました。理由はいくつかありますが、グールド関係の本は彼の多面な才能を褒め称えるものが多く(もちろん褒め称えるのは間違いではありませんが)彼の音楽活動(ピアノを弾くだけではなく)の背景(心理的なものも含めて)がなかなか見えてきませんでした。

彼は自分のレコードのライナーノートは全て自分で書いていました。ひと癖もふた癖もあり、難解でとても読みにくいものです。その点この本はグールドの残された遺品(手紙、メモ、映画、ラジオ、インタビューの脚本、原稿など)を分類し、更に関係者のインタビューから起こして伝記本を書いています。著者オーットー・フリードリックがグールド遺産管財人の弁護士から依頼を受けて書いたいわば公式の「伝記」であります。

巻末には彼のコンサートの記録、ディスコグラフィ、ラジオ放送、テレビ放映の記録がまとめられており重宝します。

グールドが何を考えていたかよりも、関係者とのやりとりの現実・・・エピソードが多く書かれていますので、もっと早い時期に読んでおけばよかったと思いました。

音楽的に、あるいはピアノを弾く上で何か役立つことはあったか?と問われると・・正直に申し上げまして何もありません。

極端な言い回しですが、普通は演奏が好きであれば、その演奏家を好きになります(まともな感覚です)。私の場合そうではないようです。彼の演奏はいくつかの例外を除けば大好きですが、グールド本人はあまり好きではないようです。

またしてもグールドの演奏の秘密は何一つわかりませんでした。(あまりにも天才的で説明がつかないことが多すぎます)

2006年3月27日 (月)

グレン・グールド論

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宮澤淳一さんの「グレン・グールド論」です。宮澤さんはグールドに憧れ、彼のことをもっと知りたいという一念からグレン・グールドを巡る様々な資料を駆使して彼の実像に迫ります。

第1章 聴き手とは誰か
第2章 演奏論 ゴールドベルグ変奏曲をめぐって
第3章 アイデンティテキ論 グールドはなぜカナダ人なのか

第1章ではコンサートドロップアウトに至る経緯と電子メディアにかかわるグールドの予想を中心に展開していきます。

第2章ではゴールドベルグ変奏曲を敲き台にバッハをピアノで演奏することの是非、ゴールドベルグは誰の影響を受けたのかテューレック(グールドが影響を受けたといっている)の意外な本音も発見できます。もちろん再録音の動機なども詳細に検証されています。

第3章ではグールドが残したラジオドキュメンタリー「北の理念」を通してカナダ人であるグールドを地理学からも分析しています。

約500頁ある大冊ですが、索引に19頁、出典に110頁費やされておりグールドを知りたいむきには格好の資料になるでしょう。

正直読後感は重苦しいものがあり全体の7割ほどは義務感で読みました。ですから頭にはほとんど入っておりません。私はグールドがピアニストとして好きですが、私の興味はただひとつ「どういう風にすればあのような演奏ができるか」だけで思想家、作曲家など多面的だった演奏以外の部分にはほとんど興味がありません。

グールド関係の本は大抵持っているか読んでいますが、新しい発見は多くありました。Glenn・Herbert・Goldとして生まれるが5,6歳の頃一家は性をGouldと改める(ユダヤ人と誤解されるのをさけるためか)。

またゲレーロの兄弟弟子ジョン・ベックウイズが「グールドは自分の受けた教育について語るときには師ゲレーロについては名を伏せるか、まったく言及しないかどちらか」と語っています。グールドが若い頃用いたゴールドベルグの楽譜はシャーマーのカークパトリック版であることも示唆しています。(全音のカークパトリック版は翻訳版になります)

期限がありますので今回は一旦返却しますが、これから何度も借りることになるでしょう。そういえば伝説の誕生ということで1955年の録音とインヴェンションなどのアウトテイク集、及び55年盤の当時の写真資料等豪華ブックレット付きで日本盤がもうすぐ発売になるようです

2006年3月 7日 (火)

弟子から見たショパン

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こんにちは。久しぶりで本の紹介です。この本は1983年に出版(日本語版)されておりましたが、原書が1988年に改訂されたことにより新たに増補・改訂版として訳されたものです。

ショパンを弾くときの一種のバイブルのような存在で多くのピアニストに読まれています。カツァリスがかつてテレビでピアノレッスンをやりましたが、彼のショパンに関する引用はほとんどこの本からでした。

内容は

■序
■第1部 技法と様式
■第2部 ショパンの作品の解釈
□付録1 ショパンのピアノ奏法草稿
□付録2 ショパンの弟子と近親者の書き込みのある楽譜
□付録3 弟子や近親者の楽譜で運指法や書き込みのある作品
□付録4 同時代の人々が捉えたショパンの演奏 


「序」だけでも注を併せて35頁もあり、これを読むだけでもショパンのピアにズムに触れる(というより深く入り込む)ことができます。

もちろん音楽鑑賞にはこのての本は必要ありませんが、ピアノでショパンを弾くとき、この本は先ほど申し上げたバイブルになりうる本だと思います。

ピアノの音階の練習は普通ハ長調(黒鍵をつかわない)からするのですが、ショパンの教本(草稿)ではロ長調からはじめます。理由は簡単、一番弾きやすいからです。また5本の指はそれぞれの持つ長さも力も同じでないのだから、5本の個性が音に反映すべきだとも書かれています。

均一な音を創るのが音階やアルペジオの練習なのですが、均質な音を創るために練習するのは時間の無駄であるばかりでなく、中指と薬指は腱で結ばれているのだから、完全な分離・独立は不可能であるともいっています。これはショパンのあの難曲揃いのエチュードを考えれば矛盾に満ちた発言だと思いますが、均一であって、均質ではないと考えれば納得がいきます。ですから均質な音を創るためにあえて親指の連続使用なども見られます。

読むには多くの音楽用語の知識が必要ですが、そんなことはお構いなくその都度調べていけば誰にでも読めると思います。

周知のように歴史はリストの奏法が主流となりショパンの奏法は本流となりませんでした。ショパンの奏法はサロン向きでリストのそれは大ホール向きであるといわれていますが、理由はそれだけでありません。

リストは多くのプロの演奏家(後には音楽院の教授)を育てていますが、ショパンの弟子はほとんどアマチュアばかりです。この時代のアマチュアの演奏はプロと変わりませんが、波及効果という意味ではプロにはかないません。

ショパンは裕福な弟子から多額のレッスン料を受けて生活しておりましたが、新作を惜しげもなく弟子に献呈しています。

この本の一番の欠点は値段が高いことです。5800円もします。図書館で借りた方がいいかもしれません。私は改訂前の版は図書館で借りて(半年くらい連続で)読みました。

ジャン・ジャック・エーゲルディンゲル 著
米谷治郎・中島弘二 訳
音楽の友社 2005年12月 第1刷

2006年1月 3日 (火)

フランシスコ・タレガ(タルレガ)

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こんばんは、今日はこの欄で紹介しましたタレガの本の実物をご紹介致します。

また全部読み終えていないのですが、この本は写真、手紙などが豊富に掲載されていますので、とても楽しく読むことができます。プジョールの「タレガの生涯」もとても面白かったですが、それ以上に楽しめます。

ギターを弾かない人でも「アルハンブラ(アランブラ)の想い出」(トレモロ練習曲)はご存じでしょう。タレガはこの曲の作曲者なのです。この曲によって、スペインのグラナダ、アルハンブラ宮殿を知った人も多いのではないでしょうか。アルハンブラ宮殿はもちろんユネスコの世界遺産です。

タレガは清貧、実直を絵に描いたような人物とは聞いていましたが、この本によると多くのエピソードによってそれが裏付けられています。

発行は現代ギター社、アドリアン・リウス著、手塚健旨訳
価格は6500円(税別)
この本はA4(変形)版で大きいです。

111ページにアランブラの想い出の自筆譜が掲載されています。これだけでも私の宝物です。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                  

2005年10月16日 (日)

フランシスコ・タレガ(タルレガ)

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こんばんは。演奏会の帰り、楽器店でタレガの本の広告を見つけました。フランシスコ・タレガはご存じ「アルハンブラ(アランブラ)の想い出」の作曲者です。プジョールがかつてタレガの伝記を書いていましたが(現代ギターで連載で読みました)久しぶりの、音楽関係の書籍で買いたい(読みたいのは沢山ありますが)本に巡り会いました。

訳者の手塚健旨(てづか たけし)さんはギタリストで彼のスペイン滞在記は爆笑の連続で非常に筆達者な方です。どんな翻訳をされてるのか原作と共に二重の楽しみです。

画像の自筆譜はもちろん「アルハンブラ(アランブラ)の想い出」です。

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