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2008年4月19日 (土)

グレン・グールド 神秘の探訪 アルベルト・ゲレーロ その3

こんばんは。カラヤンで横道にそれました。グールドとゲレーロの関係を引き続き話題にしたいと思います。以下の人物の関係がおわかりでしょうか。

マルチン・クラウゼ、アロイス・レッケンドルフ
クラウディオ・アラウ、ウィルヘルム・バックハウス

まずこのブログをお読みを方はアラウとバックハウスが20世紀を代表するピアニストであるこはおわかりだと思います。クラウゼはベルリンのシュテルン音楽院の教授、レッケンドルフはライプチッヒ音楽院の教授です。

クラウゼは8歳でベルリンへ留学してきたアラウにとって師であり保護者でした。アラウは残された映像の中でも、彼の経歴の中での最重要人物と位置づけております。バックハウスもレッケンドルフのことをヴィルトゥオーゾではなかったが際だって感性豊かな音楽家で、自身の人生の中でもっとも優れた人格の持ち主のひとりとして賞賛しております。

翻って、グールドはゲレーロと出会った時からすでに天才ではありましたが、腕を低い位置に構える演奏スタイル、速いパッセージでの明確なアーティキュレーション、レパートリーなどゲレーロに負うところ大でした。私自身は異論はあるのは承知の上で、グールドは上記の大ピアニストと同列に並ぶ
大ピアニストだと思っています。

いくら私には師はいない、ゲレーロに師事したがそれは議論の場にすぎなかったといったところで、ゲレーロの他の弟子の証言で、グールドの言葉は否定されています。遅かれ早かれわかることを何故彼は言ったのでしょうか。変人グールドには一般の常識は通用しない?のでしょうか。そうではないと思います。何かの目的があったと思うのです。

1964年当時、コンサート活動なくしてレコードは絶対売れないと言われていました。にも拘わらずグールドはコンサートをドロップアウトして録音、テレビ、ラジオなどでその音楽活動を限定することにしたのです。グールドとて霞を食って生きていけません。また出来るだけ稼いで作曲に専念したいとも前々から言っておりました。グールドは確かに天才でしたが、この上にさらにある冠をつけたかったに違いありません。それは「孤高」です。いくら天才であってもその天才が話題になる時必ずその天才に影響を与えた人物も当然話題の中に含まれます。

あくまで私の勝手な推論にすぎませんが、孤高の天才ならばうちに引きこもり、録音に専念するのも一つの宣伝文句として成り立ちます。要するにグールドの録音活動は芸術作品の記録とともに商業的に必ず成功させなければならなかった思います。およそレコードを出す限りは人とちがったものを出さなければいけないとグールドが発言しているのは、まさにこのことだと思います。ベートーヴェンの熱情ソナタとかモーツァルトのレコードの演奏およびジャケット解説などの挑発的態度などはグールドのある種の売り込み宣伝と解釈すれば十分納得できます。

ゲレーロに話を戻します。彼は広いレパートリーを誇り、ハープシコード、クラヴィコード、フォルテピアノなどのレパートリーの擁護者でもありました。イギリス・チューダー王朝の音楽にも親しみ、ゲレーロは1949年に「音楽の史的選集」(ハーヴァード大学出版局)をグールドへのクリスマスプレゼントに贈ったのです。この選集にはオーランド・ギボンズの「ソールズベリー侯のパヴァーヌ」などが含まれていたのです。グールドのレパートリーの中で何故、ギボンズ、バード、スゥエーリンクなどが含まれるのが不思議な感じがした人は多いはずです。

最後にゲレーロのグールドに関する証言を掲載してゲレーロに関しては終わりにしたいと思います。バザーナの神秘の探訪にはゲレーロの項目は注目すべき記事はまだまだたくさんあります。興味のある方は是非ごらんになってください。65ページから85ぺージまでゲレーロに関する記述があります。

「グレンは人の助言は決して受け付けません。グレンを教える秘訣は、自分でなんでも見つけさせることだ。あるいはすくなくとも自分で見つけたと思わせることだ。」

この発言は後に自分(ゲレーロ)を無視するであろうグールドの態度を予想していたに違いありません。

蛇足

師を無視したピアニストはグールドだけに限りません。かの有名なエミール・ギレリスもそうでした。彼の場合無視した先生は何とあの「ゲンリッヒ・ネイガウス」です。これを知った時はさすがに驚きました。これは「ネイガウスのピアノ講義」(エレーナ・リヒテル編 音楽の友社)にニーナ・ドルリアク(リヒテル夫人)の証言にあります(191ページ)。ここには

「私はあなたに(ネイガウス)何ら恩義を被ってはいません。私がもっているもののすべてはレインバリド先生に負うものです」

これはネイガウスへの絶縁状の中の一節として紹介されています。

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