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2008年4月13日 (日)

グレン・グールド 神秘の探訪

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こんにちは。久しぶりの日曜の休みです。朝からマスターズのテレビ観戦、洗車と大いに休日を楽しんでおります。3月中旬に白水社からグレン・グールドの評伝「グレン・グールド 神秘の探訪」が出ました。訳はサダコ・グエン、著者はケヴィン・バザーナです。原題はLife and Artとなっているのですが、その前にWondrous Strangeがついています。ケヴィン・バザーナは自身の博士論文「グレン・グールドの演奏術」をものにしているぐらいですので、グールドに関しては宮沢淳一と双璧の「生き字引」です。私流に訳して「すばらしき変人」もちろん正確な訳ではありませんが、グールドが自身の録音のプレイバック中にwonderfulを連発しているのは有名ですし、strangeはもちろん形容詞ですから変人は私の勝手訳です。

ここに2003年版の「ピアノとピアニスト2003」があるのですが、その中でグレン・グールドの紹介記事があるのですが、その中で以下のような記述があります。

グールドはヨーロッパに渡らなかったし、またカナダでも正当な音楽教育を受けなかった。その前に、すでに独自のスタイルを身につけ、独学でそれを磨きをかけることに専念した。ドイツの哲学者フッサールは「伝統とは起源の忘却だ」と喝破した。グールドは繁文縟礼(はんぶんじょくれい)と化した伝統を大胆に捨て去り、楽譜だけを頼りに「起源」に近づこうとした

注)繁文縟礼 規則が細かすぎ、煩雑な手続きが多く、非常に非能率的な状況を指す

この記述は現役の大学教授でレコード芸術の月評子でもあります。すべてが誤りとはいいませんが、これほどまでにグールドの独学神話に犯されている人が多いという証拠ではないでしょうか。

私事ですが、楽器を何種類か弾きますがそのほとんどが独学です(我流といった方が正しい?)演奏技術とか楽譜の解釈で悩んでいる時、先生、先輩にその問題の解決策を伝授された時など「目からうろこ」なんて当然のことで、それこそ百年かかっても独学では無理だということは何度も経験しました。

まずグールドの最初の先生はおかあさんのフローレンスさんでした。「神秘の探訪」ではフローレンスは1940年の初めにグールドをトロント音楽院に入れました。音楽理論はレオ・スミス(チェリスト兼作曲家1881−1952)にオルガンはフレデリック・シルヴェスター(1901ー1966)に学びます。

10歳になるとフローレンスは新しいピアノ教師が必要だと考えオルガニスト・作曲家・指揮者のアーネスト・マクミラン(1926−1946までトロント音楽院長)に相談してアルベルト・ゲレーロのクラスに1943年秋にはいることになります。

気になるのはゲレーロの経歴ですが、それは次回にいたします。グールドには神話がたくさんありますが、私生活からしてある種の情報管制を敷いておりましたので、その神話を信じるのはある程度やむおえないことです。

今回は「グールドは独学ではなかった」がメインテーマでした。

ここから先はレコード芸術のファンは読まないでください。

2003年版の「ピアノとピアニスト2003」(音楽の友社)は2002年の12月に出版されていると思う。前記の記事を初めて読んだ時とても腹が立ちました。記述者の馬鹿さ加減にです。この時点では、オットー・フリードリックの「グレン・グールドの生涯」(1992年初版)もジョン・マグリヴィーの「グレングールド変奏曲」(1986年初版)もピーター・オストウォルドの「グレン・グールド伝」(2000年初版)(以上いずれも日本語版)が出ています。これらの著書にはグールドが独学であるかどうか字が読めるなら判断できる材料が記述されています。また宮澤淳一さんのレコード芸術への寄稿(2000年5月号)にアルベルト・ゲレーロとの師弟関係が記述されています。記述者の思いこみ(やっつけ仕事かも)にあきれ果てると同時に、出版社の編集者の程度(何の程度かあえて書きません)が最悪であることがわかります。

こんなものを読まされている読者はたまったものではありません。

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