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2008年6月26日 (木)

悪魔のトリル〜「誰がヴァイオリンを殺したか」より

Fcei7xuz こんばんは。昨夜に続き「誰がヴァイオリンを殺したか」の紹介の続きです。著者石井宏さんは、本の冒頭イザイのSP録音の演奏を例に挙げて、現在ではこのような夢見る音は聞けなくなったと嘆くのですが、それでは、現在では全くイザイのようなヴァイオリンの音は聞けなくなったのか?この質問に対する回答として、アンドルー・マンゼの演奏と彼のバロックヴァイオリンと古楽に対する姿勢を綴っていきます。

ところで、マンゼですが、この本を読むまで全く知りませんでした。ピノック率いるイングリッシュコンソートの現在の音楽監督でもあります。

著者によれば現在のバロックヴァイオリンの音は第2世代にはいっており、第1世代の鋸を引くような音は大きく進歩したと述べています。私はこの初期の古楽の音が大嫌いで、いかにオーセンティックであっても美しくないものは音楽ではないと今でも思っております。私の考えを大きく変えさせたのがポッジャーのバッハの無伴奏作品です。でも何とか3兄弟だかの音は未だに認めてはおりません。

話を戻します。著者はマンゼの音の中にかつての正真正銘のバロックヴァイオリンの音を見いだすのです。

さて私はこの「悪魔のトリル」が大好きで第3楽章のダブルトリルの部分よりも先に第1楽章のラルゲット、第2楽章のグラーヴェがとても気に入ったのです。本当に美しいカンタービレを聞くことができます。

私が初めて聞いたのはオイストラフのいわゆるクライスラーが編曲した「悪魔のトリル」です。通奏低音(伴奏)がピアノですので、今聞けば様式的な違和感がありますが、しかしヴァイオリン好きを自認するなら、ピアノの音はほとんど聞いていないはずです。特に第3楽章のダブルトリル部分が終わった後ヴァイオリン単独でさらに難しダブルトリル連続のカデンツァ(クライスラーの編曲)の鬼気迫る演奏は他では絶対聞けないものです。もちろんタルティーニの原曲にこのカデンツァはありませんので、純粋な意味での悪魔のトリルではありません。

マンゼの演奏は確かに素晴らしいものですが、演奏では残念ながらオイスラフの域には達しておりません。しかしバロックヴァイオリンの音にアレルギーのある人にとっては、特効薬的といっても過言でないくらい美しい響きを奏でています。

しかし私が驚いたのはマンゼのバロックヴァイオリンの演奏だけではありません。著者が紹介する古楽に対する彼の姿勢です。

1)歴史的な知識に基づいて作られた道具を手に入れること(重要度5%)

2)正しい演奏スタイルとそのための技術を身につけること(重要度10%)

3)歴史的背景についての知識を持つこと(重要度5%)

4)埃だらけの古文書の資料庫に入り原作曲者の自筆稿を探し出し、後世の校訂者のくっつけた異物を取り除くために、オリジナルの譜面に当たること(重要度10%)

5)あとはきみの頭(イマジネーション)を使うこと(重要度70%)

私がオイストラフの演奏に感動したのは、カデンツァを創作したクライスラーと演奏したオイストラフのイマジネーションに他なりません。

なおマンゼについてはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番、4番、5番、バッハのヴァイオリンソナタ(無伴奏ではない方)を聞きましたが、少なくともバロックヴァイオリン嫌いを放棄させるだけのものは持っています。特に現代のヴァイオリンの音に慣れたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲は素朴かつすがすがしくこれまたオイストラフの同演奏の仲間入りをしました。

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