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2008年7月23日 (水)

回想~盲児が作った粘土像とともに30年~第1回

先日書きました、私の恩師の回想録ですが、今夜第1回をお届け致します。先頃発刊になりました「点字毎日」の活字版(2008年7月10日)への投稿をお届け致します。

    視覚障害児の作った粘土像と共に

 「痛ましいものをわざわざ見に行かなくても」と弱虫の私は思っていました。友人との約束もあって、仕方なく立ち寄った展覧会でした。「母子像を見に来たのに、これでは父子像」。くりくり頭の粘土像に不覚にも笑おうとしてはっと息をのみました。お母さんを触ってしか見られない彼らにとって、お母さんの顔はやさしくて丸い。彼らはふわふわの髪に隠れた本当の中身を知っていた。

 それでは今まで私が見てきた世界は虚像だったのか。ガーンと頭に響く衝撃に「しっかりしなくては」と自分にいい聞かせながら動けませんでした。「この感動をそっくり持って帰りたい」。私は汗と涙で粘土像をクロッキーしてしまいました。そのお礼にと指導者、福来四郎先生(元神戸市立盲学校教諭)から13枚の立派な写真(粘土像)が送られてきました。「これは私だけのものではない」。そこからうっかり背負った重い荷を誰かに託す旅が始まったのです。

 今、机の上に黒い無骨な粘土像が笑いかけるように座っています。これは小学校の恩師、沢野勇先生にいただいたものです。先生は20年も昔、福来先生からこの像を譲り受け、以来ずっと障害児教育にかかわってこられました。「これ、おまえにやる」。そんな大切なものをいただけるはずありません。先生は「いや、やるんじゃない。この子が喜ぶ所に置いてやりたいんだ。ほれ、おまえのところに行きたいと言うとうやろ」。先生の言葉に泣きながらもらってきた粘土像だったのです。ふと、教え子訪問の撮影に忙しい福来先生にこの像に会ってもらおうと思いました。先生は一目見るなり「ああ、これは飯田博由のです」と言われました。小さな指跡から作者名を当てられる先生はただ者ではありません。画面に映る4人の子を持つ全盲のご夫婦のお父さんこそ飯田さんでした。子どもたちが両親の手を引いて坂道を上る光景は美しいシルエットとなって今も熱く心に残っています。

 福来先生の退職後、私たちは粘土像を抱えて旅に出ました。30年、200回の展覧会をもってその幕を下ろします。多くの感動の渦を巻き起こし、逆にいっぱいいただいた旅でもありました。粘土像たちにありがとうの握手を。そして、いつかまた。

Iidahiroyoshi

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回想~盲児が作った粘土像とともに30年~第1回を参照しているブログ:

コメント

はじめまして。
2008年のページへの今頃のメールで、届かないかもしれないと思いながら書いています。
文中に出てくる沢野勇先生とは、神戸市で幼児の絵画指導をしておられた「澤野勇先生」の
ことでしょうか?
私は幼稚園教員ですが、新任のころに澤野先生の指導プリントを先輩にいただき、その頃は
大切なものとファイルにとじ、いつの間にか書棚に入ったままでした。
今日、何十年ぶりかにその書棚のファイルを取り出し、とても感動しながら読み進めました。
澤野先生が沢野先生とお人違いでしたら失礼でした。
盲学校の盲児の粘土像の話も澤野先生っぽく感じたので送ってみました。すみません。
                            加古川市 山本律子

山本さま。
コメントありがとうございます。澤野勇さんと沢野勇さんは同一人物かと思われます。この原稿は、私calafが、恩師 牛尾昌子先生から原稿を預かりこのブログにしたものです。漢字も預かった原稿そのままにしてあります。それにしても8年も前のこのブログによく辿りつかれましたね。ありがとうございます。牛尾先生はご高齢で、最近は連絡もままなりません。この原稿も続ける予定でしたが、中断しております。

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