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2009年7月 4日 (土)

見知らぬピアニスト エデルマン

こんばんは。久しぶりでのCD紹介です。本日は神戸学院大学で仲道郁代さんのモーツァルト・マチネーがあったのですが、それは明日以降に紹介したいと思います。エデルマンというピアニストって誰?

どうも今年3月頃に発売されたバッハのCDが静かに広がっているらしい。しかも日本での録音。少し調べてみますと今年レコード芸術3月号で「話題のニューディスク」同4月号で器楽部門の特選盤に選ばれている。さらに同7月号の名曲鑑定団ではバッハ・パルティータの項で取り上げられております。

少し説明がいると思いますが、「話題のニューディスク」は「よいしょ記事」がほとんどで、レコ芸がより多くあるいは安定的に広告料を確保するためのひとつの便法で例えばポリーニの新録音などここに登場しない方が不思議なくらいです。特選盤は1枚(組)のCDを二人の評論家が評価して二人同時に推薦になった場合にそのお墨付きを得られます。片方が推薦、もう一人が準推薦の場合は奇妙な日本語「準特薦」になります。

名曲鑑定団はおなじみの音楽評論家が毎月名曲をひとつ取り上げ、座談会形式で名演奏盤を推薦、解説するのですが、海外盤がとりあげられることは極めて珍しく、ほとんど国内盤のみで岡目八目。

というわけで私の性格からすれば率先して購入することはないのですが、何せバッハしかも選曲が半音階的幻想曲とフーガ、イタリア協奏曲、パルティータ第6番という組合せしかもSACDハイブリッド盤、トリトンの録音、しかもロケーションが富山の北アルプス文化センター。

購入はHMVの割引セールを利用してメインはあくまでアルゲリッチのDG(ドイツグラモフォン)の8枚組(3000円と少し)(恥ずかしくて書けないがあえて書きます全部ダブりで既に購入済みのものばかり)とハイドシェックのバッハ パルティータ123番の1枚が欲しかったのですが、マルチバイでないと値引きが少ないのでエデルマンの1枚を泣く泣く追加した次第。

半音階的幻想曲とフーガを避けて、イタリア協奏曲から早速試聴、きらきらと輝くのではないが深山の透明なせせらぎのような音質、分を弁えたハーフタッチのノンレガート、中庸を得た軽やかなリズムであっという間に第1楽章が終了。第2楽章は、これまた美しいレガートが淡々と歩を進めるが、大きなフレーズの終わりに、弱音とペダル、ふと立ち止まるかのようなリタルダンドが唯一エデルマンのロマンチックな心象を垣間見せる。このつつましやかさは一体どこから来るのだろう?この第2楽章はグールド、ミケランジェリ(放送録音です)と並んで私の3本指に入る。この時点で判明したことはエデルマンは装飾音を華麗に響かせる訳でもなく、声部の弾き分けをことさら強調するわけでもなく、速い走句をバリバリ弾くわけでもない。技巧をまったく感じさせない。3楽章でようやく技巧の片鱗を見せてくれたが、淡々としたペースには変わりなくハーフタッチのノンレガートと弱音は第1楽章以上に冴えわたっている。もっとこのノンレガートを聴いていたいがエデルマンは必要以上に用いず、あくまでレガートを主体で指を運ぶ。素晴らしいイタリア協奏曲だった。

半音階的幻想曲とフーガ グールドが大嫌いな曲で、バッハをピアノで演奏する諸問題についてモンサンジョンと討論したときビデオで幻想曲のみを披露したのが唯一の録音です。バッハにしては技巧的側面が多く、グールドが好きな構造的な曲ではない。しかもフーガはバッハのオルガン曲をリストが編曲したように音は分厚いがフーガの構造としては単純である。これだけの先入観が私にはある。が、エデルマンの幻想曲は控えめなテンポ、ペダルが相俟って激流のスケールもなく嵐のようなアルペジオは全くなし。何と禁欲的な幻想曲だろう。続くフーガも例のハーフタッチのノンレガートが大いなる貢献をしていて音が多いフーガながらまったくうるさくなく整然とした声部進行を見せる。この弾き分け技術はただものではない。この曲はバッハ当時のチェンバロのあらゆる可能性を試みる技術面では野心的な作品とされたが、楽器に奉仕はしていても音楽てきには評価の高い曲では決してなかった。グールドが嫌ったはまさしくこの一点にあった。しかし、エデルマンのこの演奏はどうだろう?この曲の従来の評価に風穴を開けるのではないか。

さてパルティータ第6番ですが、コレンテでようやく彼の技術を余すところなく見せつけるが、グールドが自制する必要などまったくないと語ったがサラバンドでは、エデルマンは禁欲的なアプローチでサラバンドを語り尽くす。レシタティーヴォの連続に見えるこの曲を決して揺らさない。単音の美しさは格別で、その響きはこのCDの中でも頂点を極める。

ここまで来たらもうエデルマン自身の経歴は書くのはやめたエクストンのホームページでものぞいて下さい。彼の素晴らしい肉声(英語)が聴ける。

録音はSACDとのハイブリッド盤で5chのサラウンドにも対応しているがCDで聴いた。ジャケットにはピアノのクレジットがなく、すくなくとも私にはスタインウェイの音には絶対に聞こえない。

何故仲道郁代さんのコンサートの記事が今日書けないのか、理由はすべてこのエデルマンのCDにある。早朝から聴いたのがいけなかった。ピアノ録音のリファレンス盤としてオーディオマニアにも広く奨める。

Edelmanns

ピアノ セルゲイ・エデルマン

TRITON EXCLー00021

バッハ 半音階的幻想曲とフーガ、イタリア協奏曲、パルティータ第6番ホ短調

使用ピアノ 不明

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